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国会質疑 詳細
2011年4月13日
国民生活調査会
■国民生活調査会に関する動画
○金子洋一君 民主党の金子洋一と申します。
ちょっとこれ、周参考人のお話の中では負の所得税という名前で出ておりましたけれども、給付付税額控除についてちょっとお尋ねをしたいと思っております。
と申しますのも、周参考人のお話の中では、アーンド・インカム・タックス・クレジットのようなもの、あるいはワーキング・ファミリー・タックス・クレジットが取り上げられておりまして、つまり、形として台形になっているというものを前提としてお考えになっていますけれども、つまり、低所得から若干働き出すと急にクレジットが上がって、しばらくの間同じ数字が続いて、ある程度所得が高くなると落ちてくるという台形の形のものをお考えになっているようですけれども、確かに稼働能力を高めるという意味で非常にそれがいいと思いますし、私も賛成をしておりますけれども、それだけで必ずしも生活保護の部分を代替できるかというと、その辺り、私、若干疑問がありますので、その点について周参考人の御意見を伺いたい。
また、これとまた全く逆のお尋ねの仕方になって恐縮なんですが、岩田参考人には、生活保護の問題点というところで、稼働可能層と高齢者層や障害者層に同じ対応をしていると、かつ保護から抜け出た後の対応が薄いということを御指摘になっていますが、これはまさに給付付税額控除の仕組みを導入することによって稼働可能層に対しては十分な対応ができるのではないかなと思うんですが、その辺りについて御意見をいただければと思います。
○参考人(周燕飛君) 御質問、どうもありがとうございました。
実は私、例を挙げている、アメリカのEITCとイギリスのWFTCという二つの制度を挙げているんですが、二つの制度、微妙に違うんですね。アメリカの制度は全ての低所得層を対象にしているんですね、ワーキング・ファミリー。でも、イギリスの制度は、十六歳未満の子供を持っている家庭で、しかも労働時間の制約があります、例えば週十六時間以上働いているとか。まあ制度設計が若干、ちょっとターゲットも少しは違うんですけど。
日本だったら、日本の国情に合わせて、例えば少子化が非常に深刻だから、このEITCとかそういう負の所得税を通じてもっと子供のいる家庭を補助をしてあげて、子供を産むようなインセンティブを与えるというような制度設計、あらかじめできるんですね。例えば、ゼロ歳から三歳の子供がいる場合はより高い税率で負の所得税を掛けてあげるとか、そういうインセンティブを設定することは、国が自分の実情に合わせて柔軟につくればいいんではないかなと思うんです。
ただ、EITCの場合は、やっぱり所得を把握することが非常に難しいという欠点がありますね。例えば、自営業をしている場合は源泉徴収していないので、幾ら稼いだというのが自分で申告する場合は、やはり不正受給が増えてしまう可能性はあるんですね。その点の対応に関しては各国を悩ませる問題の一つなんです。
国立社会保障研究所の阿部彩先生は、海外、アメリカの文献を中心に、EITC制度はどのくらい貧困を削減させるかをサーベイした論文があるんですね。それによると、やっぱりEITCが非常に有効なのは、今まで全く働かないで家にいる人たち、その人たちを労働市場に引っ張り出すという意味では非常に有効な制度なんですが、やはり、何というか、労働時間を増やすかどうかと言われるとそうでもないんですね。働く時間をいっぱい増やすとEITCが減るから、負の所得税、逆に減るから、労働時間を減らすインセンティブが逆にあるんですよ。ですから、この負の所得税を通じて貧困撲滅というか、生活保護の代替になることは全く期待しない方がいいかもしれないですね。ですから、あくまでも低所得層を救済する一つの手段にすぎなくて、それだけで貧困が絶滅するということは考えにくいんではないかなと思います。
以上です。
○参考人(岩田正美君) 少なくとも、生活保護の中で働ける層、あるいはちょっと働いている層については、こういう負の所得税も含めた、就労とリンクした形の所得保障の方にシフトしていって、高齢者や障害者の場合は、当然もうそこから出るということはあり得ないわけですから、余り細かなチェックや、もちろん資産状況のチェックみたいなのは必要でしょうけれども、就労支援みたいなものよりもむしろ福祉サービスとリンクさせていくという、そういう何か違う形に分けていくのが一番合理的だろうと思います。
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