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国会質疑
国会質疑 詳細
2013年3月26日
財政金融委員会

○金子洋一君 おはようございます。民主党の金子洋一でございます。
 大臣、副大臣、そして局長さん方には、御出席を早朝からありがとうございます。
 まず、私からは、関税定率法の一部を改正する法律案についてまずお尋ねをさせていただきます。
 今回の改正は、適正な課税のために規定の整備として行われたものだと承っております。そして、その提案理由が、最近における内外の経済情勢等に対応するため、課税標準となる価格の決定にかかわる規定の整備を行うほか、暫定関税率の適用期限の延長等の措置を講ずる必要があるということであると承っております。
 この中で、具体的には、特許権の使用の対価、いわゆるロイヤルティーを課税価格に算入をしてということを明確化をしたということ、さらに、課税価格の決定にかかわる複数の規定について明確化をしたということであります。
 こうしたことが明確化をされたということは、これまで長い間の関税業務の中でいろいろな試行錯誤あるいは訴訟といったようなものがあったと承っておりますけれども、そういった現場の努力を含めて、そういった経緯、法改正に至った背景などについてまず御説明をいただけないかと思います。
○政府参考人(稲垣光隆君) 法改正の背景についてのお尋ねでございますが、貨物を輸入する際に課される関税の課税価格の決定にかかわります法令の規定につきましては、一九八〇年、昭和五十五年でございますが、このときに整備されて以来、実に三十二年間改正がなされておりませんでした。
 他方、昨今の経済情勢等の変化に伴い、グループ企業間の取引が増加するといった輸入貨物にかかわります取引形態が複雑化している状況にあり、現行の課税価格の決定にかかわる規定では、その適用に関し必ずしも明確ではないといった場合が生じてきていたのも事実でございます。
 そのような中、誤った解釈によりまして課税価格を計算し関税の納税申告を行う事例、あるいはそのような納税申告に対し税関が行った更正処分等につきまして不服申立てや訴訟に発展する事例が増加している傾向にあり、私ども関税局、税関といたしましても、対応を余儀なくされてきたところでございます。
 このような状況を踏まえ、適正な課税をより確保する観点から、課税価格の決定にかかわります規定の一層の明確化を図ることとし、本法案をお願いした次第でございます。
○金子洋一君 ただいまのお答えを聞いておりますと、適正、公平に関税を徴収をするという観点からも非常に意義のある改正ではないかなと認識をいたしました。
 また、同じく税関の使命であります貿易の円滑化という点についても、過去の法改正によって認定事業者という制度を導入をされて、言わば、これまでの実績があってコンプライアンスの高い輸入業者についてはそのリードタイムを短くするといったような取組がなされているということで、これも進歩されている点であるかなと思っております。
 続きまして、特に一般からの関心が高い社会悪物品、覚醒剤ですとか拳銃の類いですとか麻薬ですとか、そういったものの輸入について、そういったものとのかかわりについて、国民の生活と安全を守るという観点からお尋ねをさせていただきたいと思います。
 こういったものを水際でとどめるというのが税関の大きな役割であろうと思いますが、こうした物品のうち、覚醒剤を例に取りますと、これは統計データなんですが、税関における二十四年の覚醒剤摘発件数は百四十一件と、前年が百八十五件でしたから、それよりちょっと減少はしておりますけれども、摘発量ベースですと四百八十二キログラム、覚醒剤ですね、過去十年で最高だということであります。
 しかし、これ一旦国内に目を転じますと、覚醒剤事犯というのは非常に多くなっているということでありまして、二十三年度の検挙人員は一万二千人を超えているということであります。非常に高い水準にあると。そして、ほとんどが海外から輸入をされているということであります。
 しかも、従来のような成田とか羽田とかそういったところだけではなくて、LCCが就航して旅客が増えていると。そして、安価ですから、そういったところに乗ってこられる方々の人数ですとかあるいは所得階層なんというのも変わってきているというふうに聞いておりますし、また、地方空港経由で入国をされるというケースも増えていると聞いております。
 こういったことを考えますと、密輸取締りの体制を強化をするということが国内のそういった事犯を防ぐ上でも大変必要になってくるんだろうと思います。
 また、模倣品ですとかいわゆる知財を侵害する物品といったようなものも百万点を超えているということであります。
 こうした状況を考えますと、まず、その前提となる出入国の人数なんですけれども、日本人も外国人も急増していると思いますけれども、例えば十年前、二十年前と比較をしてそれぞれどのくらい増えているのか、簡単に言うと、何倍ぐらいになっているのか、そして同時に、同じ期間で税関の業務を担当をされる人員の増減はどういうふうになっているのかということについてお答えをお願いします。
○政府参考人(稲垣光隆君) 出入国者数と税関職員数についてのお尋ねでございますが、平成二十四年の我が国におけます出入国者数は約五千五百万人となっており、十年前の平成十四年の四千四百万人に比べまして約一・二四倍、二十年前の平成四年の約三千百万人に比べまして一・七六倍になっております。
 他方、私ども税関職員の定員でございますが、平成二十四年度は八千七百七十八人となっておりまして、これを十年前の平成十四年度の八千三百十五人に比べますと一・〇六倍、二十年前の平成四年度の定員、七千八百九十六人と比べますと一・一一倍となっております。
○金子洋一君 結構増えているなという印象がございます。
 ただ、最終的に、この税関の業務というのはやはり人手に頼るところが大きいと思います。大きなコンテナを開けてチェックをするにしましても、全てを一般の方にやっていただくわけにはいかないと。税関の職員が常に付いていて、物理的にそのコンテナの中から物を出してくるところまでは職員じゃなくてもできます。けれども、開けてチェックをするということになると、結局職員がやらなきゃいけないということになりますので、これはかなり仕事量としては随分と増えているんじゃないかなと私は思います。
 また、現在、定期運航をしていない、定期運航をしている外国貿易船などがない地方港とか空港とかについては税関の職員が非常に少ないというふうに聞いております。その都度、近隣から、定期じゃありませんので、入ってくるというタイミングに合わせて近隣から応援を集めると。で、応援を集めてチェックをするということになっているそうでありますけれども、やはりどうしても非常に手薄になるということであります。
 当然、密輸をしようとする人々は、そういう手薄なところあるいはそういう手順がこなれていないところを狙って入ってくるんだろうと思いますが、そうなりますと、こういったことは昔に比べると随分多くなっていると思いますので、それらに対する対応は今の定員では不十分なんじゃないかと思いますが、どうお考えでしょうか。
○政府参考人(稲垣光隆君) 今御指摘がございました地方空港官署における平成二十四年度の麻薬等の社会悪物品の摘発件数でございますけれども、二十三年に比べまして五七%増と増えているところでございます。
 これは、極めて厳しい行財政事情ではございますが、税関におきましては、業務運営の効率化を図りつつ、国民の安全、安心の確保という税関に課せられた使命の遂行に支障を来すことのないように、所要の人員を配置するとともに、関係機関と連携して取締りの強化に努めた結果であるというふうに考えております。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 もちろん現状の人員で最大限できることをするというのはやはり当然の判断でありましょうし、そういう対応になるというのは仕方ないんだろうとは思いますけれども、やはりそういったところを何とか人員増で対応できないのかなということを私は問題意識として持っております。
 また、単純な人員増ということではなくて、様々な専門知識も必要になるということでありまして、関税法の第七十条というところを見ますと、ちょっと読みますが、輸出又は輸入について他の法令の規定により許可、承認等が必要とされているものについては、その輸出入の際に、これら他の法令の規定に基づいて許可、承認等を受けて、輸出入申告又は当該申告に係る審査又は検査の際にその旨を税関に証明し、確認を受けなければ輸出入の許可がされないということになっております。一言で他の法令というふうに申しましても、山のように我が国の中には法令があるわけでありまして、その法令一つ一つについて、一々六法全書を引いているわけにはまいりませんから、頭の中になければいけないということになります。そうなりますと、税、税と申しますか、輸出入に関するプロフェッショナルな知識がどうしても必要になってくるんだろうというふうに思いますが、そういったプロフェッショナルの育成というのもやはり必要になってくるんだろうと思います。
 そういったことを問題意識として持たせていただいて、やはり国民の安全と安心を守るという観点から、そしてプロフェッショナルを育成をするという視点を踏まえて、税関の要員確保、機構、定員の確保ですね、そしてまた、職場環境、労働環境の整備とか、働いておられる皆さんがきちんと能力を発揮できるような、そういった配慮というのが必要になってくるんじゃないでしょうか。特に機構や定員ですね、人員を増やしていく必要があるんではないかというふうに思うんですが、政府の所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、金子先生おっしゃられるとおり、過去二十年間ぐらいになりますけれども、税関の業務量というのは物すごい増えてきておりまして、いわゆる御心配になっております国民の安全、安心の確保という観点からいきますと、税関にとりましてはこれは大きな責務、責任であって、お話がありました不正薬物、麻薬とか銃砲等とか、そういった社会悪に関する物品、またテロ等々も考えねばいけませんので、そういった対応も要る。
 加えて、今、知的財産という問題も、これもう一つ、知的財産の侵害物品というものも今増えてきておりますので、水際で取り締まるということはこれは一番大事なところで、国内に広まってからではとても遅いということだと思いますので、税関におきましては、人数ももちろん少々問題なんだと私どもも理解しておりますが、検査機器というものを充実させたり、IT化などによって業務の効率を努めるとともに、定員の確保、また御指摘になりました専門性の習得のための研修というものを充実させねばならぬ。
 また、先ほど、地方空港とか地方港におけます移動というのはかなりな距離で、対馬なんてことになるとえらいことになりますので、フェリーで渡したりなんかしておりますから、そういった意味で、職員などはそれに対しての処遇の改善又は機構等々の職場の環境などの整備を行ってきたところで、人数は確かに減らさねばならぬところはあるんですけれども、間違いなく減ってはおりますけれども、他の役人の数に比べて減り方は少なく抑えなければとても間に合わないということになっていると、私どもはそう理解しております。
 いずれにしても、極めて厳しい財政事情にはありますけれども、我々としては、今後とも、業務運営というものをより一層効率化を図るというのは不断の努力が要るんだと思いますけれども、今御指摘の点を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
○金子洋一君 大臣、ありがとうございます。非常に前向きなお答えをいただけたんじゃないかなと思っております。
 財務省と申しますと、私どもが公務員試験を受けたときには大蔵省でしたけれども、本省と国税庁とそして税関と財務局といったように試験が分かれておって、ともすると本省の方にばかりスポットライトが当たってしまうというようなことが、まあ今日は本省の方が多いかと思いますけれども、そういうような感じが私も隣の建物で働いておりましたからいたしました。やはり、現場で働いておられる皆さんですので、大変な御苦労があるんじゃないかなと思っております。そういったところに御配慮を是非ともお願いをしたいというところでございます。
 また同様に、国税の職員の機構、定員につきましてもお尋ねをしたいと思います。
 今度、消費税が増税になることが予定をされております。ところが、消費税の滞納の割合が非常に高くなっているのは、これはもう大臣もよく御案内のことだろうと思います。例を取りますと、平成二十三年度ですけれども、新たに発生した滞納税額が六千七十三億円あるということでありまして、そのうち消費税は三千二百二十億円ということで、五三%という非常に高い比率になっているということであります。こういう高い滞納の率がある中で、消費税をこれから五から八へ、八から一〇へと引き上げるということになりますと、やはりどうしても国民の納得が得られないところがあるんではないかと思います。
 それから、国税の業務につきまして申しますと、まだ私ども民主党の政権の下の二十三年度の税制改正で国税通則法が改正をされまして、今年の一月からは全ての処分に理由を付記をすることになったと。さらに、更正の請求の対象期間がこれまでは一年だったものが五年になったということで、要するにかなり昔のものも出てくる可能性がある。そして、昔のものですから、そういったチェックの作業にも手間が掛かるということが出てくるんだろうと思います。こうしたことで、国税の職員の皆さんの作業というのも大いに増えてくるんだろうなと思います。
 こうした中で、国税の適正、公正な課税と、そして徴税をする、徴収をするということを実現をするために、また国税の職員の皆さんの機構や定員、定員の確保や機構の充実といった点についても、これは是非とも努力をしていただく必要がこの消費増税をする機会であるからこそあるんではないかと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、金子先生御指摘のありましたとおり、税務行政を取り巻く環境は、先ほどの滞納の話もございましたけれども、申告件数が増加をしておりますし、滞納残高というのは今言われたように高水準で推移しておりますというような事情に加えて、経済取引が国際化してきておりますので、取引実態の把握というのは極めて昔に比べて困難になってきているなどなど、いわゆる質、量共に更に仕事量が増える、難しいという状況にあろうと存じます。
 また、先ほど御指摘のありましたように、国税通則法改正など、これ的確に対応していくという必要が税務職員の場合どうしても要りますので、そういった点も踏まえますと、税務行政の困難性と適正な課税等々を確保する重要性というのを考えた場合には、これは国税庁につきましてはこれまでも、先ほど申し上げました事務の効率化はもちろんのことですけれども、所要の定員の確保並びに機構の改革、確保ということに努めてきたところではありますけれども、今言われたように急激に増えてきておるという状況というのを考えたときには、今後とも円滑な税務行政というのを行っていくためには所要の人員の確保、また機構の改革、確保等に引き続き努めていかねばならぬところだと理解をいたしております。
○金子洋一君 ありがとうございます。是非そういった方向で取り組んでいただければと思います。
 私、麻生大臣が昔の経済企画庁長官でおられたときに、同じ時期に経済企画庁におりまして、経済企画庁は中央合同庁舎四号館にあって、大蔵省の建物が南の方にあると。そうすると、あの踊り場から身を投げた若い職員がいるというような話をよく聞きました。やはりそういった自殺、職務上の大きな負担に耐えかねた方が多かったんだろうと思うんですね。そういうことをよく、特に大蔵省、現財務省ではよく聞きましたので、是非ともその人員の確保という点には特段の御配慮をお願いをしたいと思います。
 続きまして、話題が変わりまして、平成二十五年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算について、平成二十五年三月、財務省という、この試算についてお尋ねをさせていただきます。これ、前回にもお尋ねをさせていただきたいということで十分にお尋ねができなかったんですが、この内容についてかなり疑問な点があると私は思っております。
 まず、この試算なんですが、機械的な試算で非常にテンタティブなものであると。計数は試算の前提等に応じて変化するものであるというふうにまずページの最初に書いてはあります。書いてはあるんですが、やはり何と申しましても天下の財務省が影響試算というふうに銘打って出しますと、これはやはりかなり権威のあるもの、重要性のあるものだというふうに受け取る方が自然だろうと思います。
 例を取りますと、昨日の新聞ですね、朝刊に、「国の借金 新たな安全神話に陥るな」ということで、これは社説ですね。その社説の中に、金利上昇のリスクということで、ここからはその記事を読みますが、財務省の試算では、安倍政権の思惑どおり物価が二%上昇し、同じ幅だけ一四年度から長期金利が上がり、その水準が続くと、初年度二兆円、二年目四・九兆円、三年目八・二兆円と、国債の元利払い費は増えていくというふうに書いてあります。この数字自体は正しいんですけれども、やはり思ったとおり、非常に重たい試算だというふうに受け取られているというのが実情だろうと思います。
 やはりこういった重たい試算だと一般が受け取る、この場合には大きな新聞社ですけれども、こういった大きな新聞社、恐らくレクも受けているんだろうと思うんですね。それでもこういう受け取り方をしてしまうということになりますと、これは、現在財務省がしている以上の注意を払って計算をしなければならないでしょうし、公表もしなければならないんだろうと思います。
 そこで、お尋ねを申し上げます。まず、国債金利ということで、予算積算金利一・八%ですね、現在は、これを使うのでは国債費が過大に算出をされるのではないかと思っております。この一・八という数字は、私のお尋ねをしたところによりますと、過去一年間の平均が〇・八で、その上に一%を乗っけたと。なぜ一%を乗っけたかというと、国債利払いのためにきちんと余裕がなきゃいけないと。金利が急上昇をしたときに、一%というふうに乗っけておかないと、もう準備をしているお金が尽きましたなんということになりますと、まさに国債の信認にもかかわるということから、一・八という大きな金利を設定しているのが予算積算金利だということであります。
 となりますと、その予算積算金利そのものを国債費の計算に使ってしまうと、これは当然過大に算出をされるんだろうと思います。一・八が予算積算金利です。昨日の十年物の長期国債の金利、〇・五五五です。しかも、これから日本銀行が量的緩和を行うのではないかと言われている。量的緩和の手段として、何をやるのかということになりますと、これは長期国債の買い切りオペしか、数十兆円買えるものというのはございません。
 今、日本銀行のベースバランスシートが大体百三十兆円ぐらいで、じゃ五割増やしますとしたときに、じゃ五十兆円、六十兆円買うということになれば、国の公債の発行残高は九百六十兆円ですから、既に一二%を日本銀行が持っている。そこに五十兆円乗っけるということになれば、昨日、〇・五五%だった十年物の長期金利は更に下がる可能性があるというふうに考えるのが普通だろうと思います。いや、財政ファイナンスだと勘違いをされて、いや、もっと高くなる可能性もあるんだとおっしゃるような方もおいでですけれども、現政権は、いや、そんなことはないと、大量に国債を発行をして財政ファイナンスのようなことに陥らないように、まさにその目的のために後年度歳出・歳入への影響試算というのを出しているんだとおっしゃるわけですから、普通に考えれば、〇・五五五という数字よりももっと下がるというふうに考えるのが当たり前だろうと思うんです。
 また、これ名目金利の話なんですけれども、実質金利ということで考えますと、また後で物価上昇率についてお尋ねをいたしますけれども、我が国で言う大胆な金融政策と同じ内容の政策を取っている先進諸国では、ほとんどの国が実質金利がゼロ以下になっております。我が国も、物価連動国債とそして普通の国債の差、金利の差を取ったBEIという指標を見ますと、一・二%ぐらいの物価上昇率が予想されると。一方で金利が〇・五五五ですから、まさに実質金利がマイナス〇・六とか七とか、そういう世界になっているわけであります。
 となると、最初の問題意識に戻るんですが、やはり今の国債金利、ここの影響試算で使っている国債金利というのは高過ぎるんではないかというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
○副大臣(小渕優子君) 委員が御指摘になりましたこの国債費の積算に当たって用いられている予算積算金利でありますけれども、御指摘のように、将来の市場金利の予測、予想ではなくて、例えば年度途中において国債費が不足するようなことにはならないようにある程度余裕を持った水準に設定をしているところであります。
 この二十五年度の予算金利、これ先ほど一・八%ということでありますが、足下の金利がおおむね一%で推移をしています。直近のこの三年間を見ますと、一・〇七、一・〇一、〇・八八ということでありますので、これでおおむね一%。そして平成十年以降、予算編成直前の金利に対し、翌年度の平均金利が最大で〇・八%上昇したというこの事例があることなどを総合的に勘案して、一・八%と設定をしたところであります。
 予算編成においては実質金利により国債費を積算しているということではなく、この予算積算金利により国債費を積算しているために、一般会計の将来の姿を推計する後年度影響試算においても、この予算積算金利、これを用いるのが適当ではないかと考えているところであります。
 また、このように予算積算金利、ある程度の余裕を持っている金利を前提としているために、この値と実質金利の水準というものを一緒に並べて論じるということも適当ではないのではないかと考えるところであります。
○金子洋一君 もしそういうふうにお考えでしたら、その辺りをかなり過大に見積もっておりますぐらい、太字のゴシックでどんと書いていただかないと、またこの新聞の社説のような受け取り方が出てきてしまうんじゃないかなというふうに私は心配をしております。
 また、さらに、もう一点疑問点がございますけれども、税収弾性値を一・一で計算をしているというふうに書いてあるんですね。これ確かに、私も以前にその税収弾性値を自分で計算をしたことがありますけれども、一・一というのは、バブルの景気のいいころが大体一・一とか一・一一とか一・二三とか、そのくらいの数字になっております。言わば、経済が軌道に乗っている状況での数字だろうと私は受け取っております。
 じゃ、最近のいわゆるデフレに陥ってからどんな数字になっているかということになりますと、これ、二〇〇九年から以前の数字で計算をしていますので、もう一年ぐらいデータが本来はあるんですが、済みません、自分でやっていますので、そこのところはお許しをいただきたいんですが、過去十五年の平均で見ますと、税収弾性値って四なんですね。過去十年で見ますと四・五、過去五年で見ますと三・八、過去三年で見ますと三・七なんです。
 やはり安定成長期と、そして需給ギャップがあって、稼働設備が例えば一〇〇の能力のところを九七とか九六しか設備が動いていない状況では、これは当然税収の入り方というのも違ってくるんではないでしょうか。つまり、一・一というのは過小評価ではないかと私は思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○副大臣(小渕優子君) 今後経済が成長していきますと、一般的には税収が増加すると考えられますが、具体的にどのように税収が推移していくかについては、今後の企業の収益の動向や多額の繰越欠損金がどのように解消されていくかなど、様々な要因に左右されるものと考えられています。
 後年度影響試算におきましては、中期的な将来の財政の姿を示すという性格上、税収の算出に当たっては、従来から、過去の安定的な経済成長期の平均的な税収弾性値である一・一、これを用いているわけでありますが、この一・一、バブル期以前の値として一・一ということであります。
 二〇〇〇年代の税収弾性値の平均は四ではないかという御指摘もあったわけでありますけれども、この二〇〇〇年代の税収弾性値については、経済成長率が大変ゼロに近く、また、税収の動向についても、経済成長以外の様々な要因、例えば税制改正ですとか、郵貯の満期が重なった、そうしたような要因が重なったために大変こうプラスマイナスが大きく出てしまったわけでありまして、ちょっと特殊な時期であったのではないかということを思うわけであります。そうした観点から、一番安定的なバブル前の一・一を用いているところであります。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 過去十五年の数字で見ますと、マイナスになっている時期というのは一年だけ、二〇〇三年なんですね。これがマイナス一・五九なんです。それ以外は全部プラスです。平均値では信頼ができないということでしたら、中央値、メジアンで取っても、大体やっぱり四ぐらいになるんですね。そのことを考えますと、今、今後の経済の動きを考えるのに、バブル期以前の平均の数字を取るのと、それともこの十年、十五年の数字を取るのと、どちらが今後の動向が読めるのかということになりますと、私にはどう考えてもこの十年、十五年の方が正しいんだろうなというふうに思います。
 ここはもっと詳しくやりたいところですが、また別のことに移らせていただきますが、さらに、物価上昇率ですね、これも随分後になってから二%に、消費者物価上昇率が二%になるんだというふうな計算の仕方になっておりますが、これは、日銀の二%の物価目標、これは二年以内に達成できるんだというふうに黒田総裁が言っておられます。
 やはり、黒田総裁、もちろんそれは日銀の独立性があると言われましても、これ御自分から二年ぐらいでできますとおっしゃっていますし、そもそも論として、今の政権がお選びになった総裁がそのまますんなりと総裁になられたわけであります。その総裁がおっしゃっている数字の動きとこの影響試算で動きの、物価上昇率の置き方が違うというのは、これは非常に大きな食い違いじゃないかと思いますが、その辺りはいかがお考えでしょうか。
○副大臣(小渕優子君) 物価上昇率におきまして、この試算時点において、政府、日銀との間で取りまとめました共同声明におきまして、日銀によるこの物価安定目標が二%と設定されていたことを踏まえて、本試算の推定期間中に消費者物価上昇率が二%に達するものとして、その道筋というものを機械的に設定しているということであります。
 今回のこの黒田総裁の発言につきましては、我々がこの試算を始めて公開をする直前にこの二年で二%という御発言をされたものですから、黒田総裁の時期についての情報というものが十分にこちらの方では反映されていないということも御理解いただければと思います。
○金子洋一君 ということは、次回以降二年以内に達成できるんだと、しかも、黒田総裁就任が三月二十日ですから、そこから二年だということで考えていただいて、もっと早い時期に達成できるというような計算が出てくると解釈してよろしいんでしょうか。これは大臣にお尋ねをさせていただきます。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行との共同声明の中で、この二%というインフレターゲットという言葉を使われました。もう金子先生よく御存じのように、インフレターゲットという言葉は、普通、高いのを低く抑えるのがインフレターゲットであって、デフレーションをインフレーションにするインフレターゲットなんて過去一回もありませんから、こういう言葉は。したがって、そういう意味では日本銀行に二%ということを目標として定められましたことは、これは共同声明の中で最も大きな部分だったんだと、私どもはそう理解をいたしております。
 その上で、二%というものがもっと早めになるためには、少なくとも今回の安倍内閣で出されております三本の矢のうちの残り二本、いわゆる財政の機動的出動、また民間というか企業の経済成長というこの二つが出ませんと、日銀の金融だけが緩んでも物価が上がらないということは、もうこれは二〇〇〇年代の初めに何回か経験済みでもありますんで、そういった意味では、日銀と政府と両方でやって初めて二%ということが目の中に入ってくるところなんだと思いますんで、日銀にしてみれば、政府はちゃんとやってくれるんでしょうねというのが多分御疑問でおありだったろうと、私どもはそう想像しております。
 したがいまして、今回は一応両方でこの意見を、こちらも財政、また経済成長等と両方やらせていただきますと、確実に我々も一生懸命やりますということを申し上げて双方で共同声明ということになっておりますんで、私どもとしても二%の目標というものは、それはもう、かつて入省されたころは年率三〇%だ、三三%だ、上がった時代が昭和五十一年、五十二年ありましたんで、そういったようなことを考えりゃ、二%と言われても、今までデフレーションやっていたところがいきなり上げるに関しては、なかなか簡単に一%、二%、確実に行きますというのを申し上げるほどちょっと自信もあるわけではありませんので、これは最大限の努力をさせていただきたいと思いますが、うまくいけば、おっしゃるとおりに前倒しでできる可能性がゼロなんというつもりはございません。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 ただ、この点につきましては、内閣参与の浜田先生も本田先生も大臣とはかなり違う御意見をお持ちであります。私も浜田先生や本田先生の意見に賛成をいたしますが、これはちょっと大きい話ですのでまた別の機会にさせていただくといたしまして、この影響試算については非常に外部に与える影響というのは大きいと、財務省の試算ではという形で出てしまいますので、今私が申し上げましたような設定を仮に置いたということで、また財務省の中で計算をしていただく、そういうようなお願いをお受けいただけますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 資料をもう一回、先生が出された資料、勉強された資料というのをちょうだいいたせば、それを基にして計算させます。
○金子洋一君 どうもありがとうございます。作業を楽しみにさせていただきますので、どうもありがとうございます。
 続きまして、租税特別措置法などに係る部分についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 租税特別措置法に係る施策の中で三十年以上適用が続いているという項目も多数ありますし、こういったものについては、租特という形ではなくて、もちろん恒久化されているものもたくさんありますけれども、本則化させるべきじゃないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 租税特別措置法、おっしゃいますとおり、三十年以上の長きにわたって継続しているものも、適用期限が到来した、そういうときなんかには、その時々の事情を踏まえて見直しを行ってきたところであります。
 例えば、極端な、極端な例って、最も長い例の一つかと思いますけれども、五十年以上続いている船舶の特別償却につきましては、これは昭和二十六年にできておりますので、その当時は、これは老朽化した船というものを更新を促進するのを目的としてこれ行っておりますけれども、現在では、環境負荷の低減につながる、そういった船舶の取得を促進する制度としているところでもありまして、今般の二十五年度税制改正におきましても環境要件というものを変更するなどということにいたしております。
 こうしたことを考えますと、やっぱり特定の政策目的を持って定められております租税特別措置ではありますけれども、少なくとも、長期間継続していることだけをもって駄目ということではなくて、一律的に原則的な取扱いを定めることをこの法律の中でやるのは適切ではないので、今のままで適時変更させていただくという方が現実的ではないかなというように考えてはおります。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 ただ、船舶の特別償却のようなものでしたら、もう基本的に本則化をして、その要件としてこういう形で、今大臣のおっしゃったような形で乗っけていかれる方がいいと私は思います。
 続きまして、円安とか消費税の引上げに関連をしてお尋ねをいたします。
 円安による悪影響、産業に、あえて悪影響と申しますけれども、悪影響や、要するに輸入物品が高くなるという意味での悪影響です、あるいは消費税増税による悪影響にしても、これは政策を変更したことによって生ずるものであります。当然、放置をせずにきちんとした手当てをする必要があると私は思います。
 そこで、円安が去年の十一月の半ばから進んでおりますけれども、この円安が与える悪影響をどうやって打ち消すのかという対策としての意図が入っている税制改正とかそういったものは、今回の提出法案の中のどれが当てはまるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に為替相場につきましてはちょっとコメントができる立場にありませんので、その点をちょっと考慮していただいた上で、昨今の為替相場の動向というのは、全体として見れば、多分景気にプラスの影響を与えている面の方が多いと、私どもはそう思っております。
 しかし、いずれにいたしましても、輸入財の価格というのが、石油、これ石油は為替だけではない、別の要素もございますのでいろいろありますけれども、これは十分考えておかねばならぬところであって、三本の矢によって企業の収益機会というものを増やしていくというのと同時に、雇用とか、それから賃金とか、そういったものの拡大を実現をさせていくということで国民の生活に経済成長の恩恵が幅広く渡るようにしていくというのが一番肝心なので、企業の収益力向上の成果というものが適正に、労働分配率みたいな形で見ますと、昔に比べて分配率は下がっておりますから、そういったのを考えて取り組んでいくようにしてもらうことが重要なので、我々としても、企業の経営者側に対して賃金上げろと言うのは、ちょっと自民党の仕事としてはいかがかなと正直思っておりますよ、真面目な話。
 だけど、そう思っていますけれども、ちょっと、そういうことにならぬと、何となくみんなじっとして、企業の内部留保だけがずっと積み上がって二百何十兆、上場企業の四三%が実質無借金というようなことで自己資本比率は物すごい高くなってきておりますというのは、もうかつてでは考えられないような状況になってきておりますので、そういったことを考えますと、やっぱり良くなった分だけはきちんと、配当に回るか労働分配率を上げるかというような形のものが出てくる、また、設備投資に回ることによって企業の景気とか全体の景気が上がっていくというようなことに金が回らず、ただただじっと、金利もほぼ付かない内部留保でずっと持っているというのは、ちょっと正直、私どもとしてはいかがなものかと思いますので、是非、こういった円安だった分に関しましては、それはきちんとした形で広く薄く、広く厚くでもいいですけど、広く行き渡るようにしていくようなことを考えるのが私どもの考え方であります。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 まさに、大臣のおっしゃる方向性は正しいんだと思います。ただ、今回のこの提出された法案の中で見ますと、そういった配慮というのは余り読み取れないというのが事実ではないかと私は思っております。
 例えば、その円安と消費税増税の悪影響と、あえて悪影響と何回も申しますが、について考えますと、我が国の非常に大きな産業、裾野が大きな産業で申しますと、自動車産業と住宅産業があると思います。その自動車産業について見ますと、これは円安によって輸入エネルギーが上がる、そうするとガソリンの価格なんかが上がってしまう。自動車のユーザーは当然ガソリン価格の上昇の悪影響を受けるわけであります。
 特に、自動車のユーザーというのは、世帯当たりの自動車保有率で見ますと地方が非常に高くなっております。東京都内ですと、世帯当たり〇・五台とか四台とか、そのくらいですけれども、済みません、ちょっと適当な数字になるかもしれませんけれども、愛知県のある村、村といっても、これ実は地元に発電所があったと思うんですが、その村では二・五台とか、そのくらいの保有台数になっているということで、地方の方が保有台数が多いと。
 となりますと、ガソリン代の上昇というのは、地方により利いてしまうというか、地方の車ユーザーに利いてしまうということになると、そういったものを前回代表質問でお尋ねをしましたら、ガソリン代については結構厳しいことを大臣おっしゃっていましたけれども、そこを捨象させていただくとしても、そういった自動車関係の、自動車重量税などの自動車関係諸税については、地方の負担の方が実質的に世帯当たりで見ると大きいわけですから、二十六年度の税制改正を待つということを言わずに、是非とも直ちに引下げの方向で検討を始めていただきたいと思うわけですが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、地方の方がそれは公共機関の絶対量が大変不足しておりますし、比率も圧倒的に、東京の場合、通勤している方の七十何%は公共機関というものを使っておられるのに比べて、地方に行きましたら、その比率は、もうパーセントは全く違いますので、そういった意味では、地方の方が軽自動車を含めまして一家に二台、別に驚く数字ではないというふうに、私のような筑豊でもその比率は二倍、二・何台というのはもう間違いないところだと、私もそう思っております。
 いずれにしても、自動車重量税等々を含みます、車体課税とかいろいろあるんですけれども、今般の与党税制改正においては、少なくとも財源が大きなもの、非常に大きな財源になりますものですから、財源を確保した上で一層グリーン化などの観点から見直しを行うということで、方向性は示されたということなんだと理解しておりますが、この見直しにつきましては、昨年六月のあの民主党と自民党、公明党の三党合意でも、これ消費税率八%の引上げ時までに結論を得ることとされていた課題であります。今般の与党の税制大綱とかまた税制抜本改革法第七条の規定を踏まえて、今言われましたように、平成二十六年度の税制改正に向けて今検討が進みつつあるところだと理解をしておりますけれども、直ちにと言われると、ちょっと今この年度中にというのはなかなか現実問題としては難しいというように理解しております。
○金子洋一君 昨年の三党合意の時期は、円レートは七十八円とか九円でした。今は九十五円です。単純計算で申しましても二割近く変わっているわけですから状況は全く違うので、そこは是非とも御対応をお願いしたいと思います。
 続いて、先ほども申しました住宅についてです。
 これは国交省さんにお尋ねしますけれども、消費税の引上げ対策で住宅ローン減税をなさるということであります。これ自体は非常にいいことだと私は思います。ただ、どうしても新築中心になってしまう、もちろん中古が排除されるものではないことは分かっておりますけれども、新築中心になってしまうと。でも、新築住宅というのは資材の面でも労働力の面でも、やはり駆け込み需要になりますと非常に価格も上がってしまうと、ボトルネックがそこに生じるということになります。でしたら、既にある住宅を活用する、あるいは魅力を持ってもらうと。中古住宅などの既存住宅ストックの流通の活性化といった方策を取ることがこの駆け込み需要対策としても非常に有用だと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(毛利信二君) 中古住宅についてのお尋ねでございますけれども、御承知のとおり、近年、住宅の一次取得者となります三十代の平均年収が継続的に減少傾向にありますなど厳しい環境の中にある中で、住宅取得は一時の大きな負担をもたらしますので、消費増税前の駆け込みや反動減を防ぐという意味でローン減税の拡充とか適切な給付措置を講ずる必要があるというふうにされたところでございますが、加えまして、国民の多様なニーズにこたえる住宅を提供する意味からも、御指摘のとおり、良質な中古住宅の流通やリフォームの促進を図る必要があると認識しております。
 一方で、御承知のとおり、我が国の中古住宅流通あるいはリフォーム市場は欧米に比べましていまだ規模が小さく、その拡大のためには、住宅の質に対する不安の解消ですとか適切な評価、リフォーム等による質の維持向上などが大きな課題になっております。このため、この度の税制改正と平成二十五年度予算案におきまして、耐震、省エネ、バリアフリー改修のリフォーム減税の延長、拡充や適用要件の合理化をお願いいたしておりますし、あわせて省エネ改修等への予算措置の拡充などを図りますとともに、あわせて住宅瑕疵保険制度の普及促進などにも努めております。
 国民が中古住宅を選択いたしますのは、価格が大きな要素。個人間取引は消費税非課税でございます。加えまして、質の不安の解消を図りまして、無理のない負担で良質な住宅を取得できますように、中古住宅の流通とリフォームの促進など、多様な選択肢の提供に積極的に努めてまいりたいと考えております。
○金子洋一君 ありがとうございます。そういった方向で是非とも進めていただきたいと思います。
 私の持ち時間があと五分強になりましたので、ちょっとスピードアップをさせていただきますけれども、円安の影響をダイレクトに受けますのが輸入エネルギーの価格であります。そこで、揮発油税とか石油石炭税を始めとするエネルギー関係諸税を引き下げる必要があるのではないかと私は考えます。もちろん、先ほど大臣が財政的余裕がとおっしゃったことは承知の上でお尋ねをさせていただきます。特に、地方空港の整備はもうほぼ終了しているというふうに私は思いますので、航空機燃料税の更なる引下げが必要ではないかと思います。この点について、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今おっしゃいますように、確かに石油関係諸税の税率水準というのが一番、言っておられるんだと思いますが、これはいわゆる地球温暖化対策等々の話があってみたり、もちろん財政事情もございますけれども、また、税制抜本改革法第七条等々に書かれているところでもありますので、これは慎重に考えていかなきゃならぬところなんですが、航空機燃料税につきましては、この平成二十三年度の税制改正において、国際競争力の確保の観点から軽減すべきだという御意見等がある一方で、空港整備勘定等々に一般会計からの繰入れが今行われておりますので、そういった意味で、地球温暖化対策との関係を考えますと、これは大幅な引下げというのはなかなか難しいんだとは思いますが、いずれにしても、平成二十六年の三月末までの間にリッター二十六円を十八円までに下げるということはやらせていただこうと思っております。
 航空機燃料税の税率の更なる引下げということなんだと思いますけれども、空港の機能強化に向けた財政需要とか、また、空港整備勘定に一般会計から繰り入れられているのは平成二十五年度だけで見ましても約二百六十億ぐらいありますので、そういったことを踏まえておりますと、ちょっと今これ検討せなきゃならぬとは思いますけれども、そういった意味では、今の財政事情等々、必要な一般会計から繰り入れているという事情もございますので、これ以上また更に引き下げるというのを今考えているわけではございません。
○金子洋一君 ありがとうございます。
 私は、円安による輸入価格上昇というのは何とかして対応しなきゃいけないと思っております。
 次の質問でございますが、リーマン・ショック直後の円高が随分続きまして、その結果、造船業界ですとか海運業界というのは非常に大きな打撃を受けました。しかも、彼らはもう数年先のスケジュールを作ってやっておりますので、非常にその点、痛みが深いものになっております。
 そこで、もう現在でも進められているわけですけれども、トン数標準税制を更に拡充をしていくべきではないかと思います。そういうことによって海運日本というのを何とかして取り戻すことはできないかというふうに思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおりに、リーマン・ショックの起きる前、たしか一ドル百八円だったと記憶していますので、今とは、円安になったとはいえ全然状況が違った時代だったと思っておりますので。今言われましたように、このトン数の標準税制とよく言われる部分なんだと思いますけれども、これは、日本の船舶の増加に取り組んでおります外航関係をやっております海運業者への支援というのを目的として、平成二十年度に創設されております税制であろうと存じます。
 稼働日数やトン数に掛けてということで、みなし利益で課税するというものなんですが、平成二十五年度の今回の税制改正におきまして、これ、経済安全保障の観点というのを考えて、この税制の適用対象というものを拡大させていただいて船舶の増加を加速させるということで、外航海運業界において、日本の船舶だけじゃなくて一定の外国船舶による収入もその対象とするということに拡大をさせていただいたりして、いろいろやらせていただいておる途中であります。
○金子洋一君 更なる拡充を是非とも御検討をお願いしたいと思います。
 最後の質問になります。これは金融担当大臣としての麻生大臣にお尋ねをさせていただきますが、少額上場株式等に係る配当所得等の非課税措置、いわゆる日本版ISAですけれども、これを更に強化することが必要ではないかと私は考えるんですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 通称ISA、インディビジュアル・セービング・アカウント、通称ISA、少額投資を促進する非課税制度の話なんですけれども、これはもう先生よく御存じのように、日本の場合は個人金融資産が一千五百兆を超える、加えて、その中で現預金が八百五十兆ぐらいあるとかいう、ほかにたんす預金も何十兆もありますよなんというんで、極端に現預金に偏っておるのが日本の個人の方々の金融資産の内容でございますので、いわゆるリスクを取って投資するというような気はほとんどおありにならぬ。まあ、昔損したとかだまされたとか、いろいろこれまでの経験もおありなんでそういうことになっているんだと思いますが。いずれにしても、極端に外国に比べても少ないので、この家計というものを考えたときに、安定的な資産の形成の支援というものと、また、経済成長に必要な成長資金というものを供給拡大をしていただくという意味におきましても、この両立というものを目指して、今一月からの導入を目指しておりますところです。
 いずれにいたしましても、この趣旨をどれくらい理解していただけるかというところが我々今後考えねばならぬところなので、証券会社は言うに及ばず、こういったものに関係する投資信託等々、是非これに関して御理解をということで、広く広めていただく、広報、広報というのか、広報等々につきまして是非やってもらいたいということと、この利用実績が上がっていくのを見ましても、目先十年とかいう形にしておりますし、一人一口とかいう形で、いろいろインセンティブをきちんと出すような形にはしておりますけれども、それらが効果が上がれば、今おっしゃられるような方向で更に拡大させていっていただけるような方向にできればと、私どももそう思っております。
○金子洋一君 ありがとうございました。
 成長戦略という意味でも意義があることだと思いますので、是非とも推進をよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。


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